36.太田則子さんの旅立ちの日に
index
1、旅立ちの日
2、蜂鳥
3、クリフローズ通信をお届けします
4、ヘンケルの牛刀
5、新春笑い話をお届けしましょう
6、出版のごあいさつ
7、I got landed immigrant status
8、小さな総括08soukatsu.htm へのリンク
9、裏の庭でつくしを見つけました
10、April 4 '00: イリーナの話
11、July '00: Vancouver便り
12、Oct. 29 '00: 酔歌祭のこと
13、Nov. 26 '00: 藤村の根無し草四つの巻の序
14、Sep.16 '00: I got new boyfriend.
15、Mar. 15 '01: 素晴らしい春の始まり
16、Oct. 11 '01: 酔歌祭
17、アドレス変更のお願い
18、Dec. 22 '01: 酔歌祭の御礼
19、Jan. '02: A Happy New Year to Everybody.
20、Mar. 20 '02: 息子たちへ
21、今旅立とうとしている母へ
 22「すばるのかなた」ご出版によせて
23、柳谷千恵子油彩小品展のお知らせ
24、柳谷千恵子油彩小品展の御礼
26 Cliffrose Letter March 13 2003 停電 in Canada
27 Cliffrose Letter Nov.19.'03 息子の来加
28、Cliffrose Letter Dec.28 '03 眠れない夜は・・・。
29、Cliffrose Letter Oct.6.2004 食い物の話
30..Cliffrose Letter Oct.25 2004  個展のご案内
31.Cliffrose Letter Dec.30. 2004 昨日はどこにもありません。
32.独り女の独り言
33、.死生観
34.数々の出会い
35.Feel Guilty
36.旅立つ親友太田則子へ送る言葉
37.映画の話
38.狭い地球
39.英語でのコミュニケーション 将城
40.モーツアルトとサリエリとChieko
41.商売と信頼関係 将城
42.VOL.36 Cliffrose Letter Dec.30.'05 平穏・平凡・平和
43.Cliffrose Letter vol. 37 - 年賀状とクリスマスカード
44.Mr.Revenko& Mr.Ohyama  
45.Cliffrose Letter vol. 38 ‐ 謙譲の美徳と外国人
46.Vol.39 Cliffrose Letter Feb.18.'06 春のお知らせ
47.Vol.39 Cliffrose Letter Feb.18.'06 花のお知らせ
48.Vol40 Cliffrose Letter Apr.22.'06 イゴール氏と大山氏
.49Mr.Ohyama's Mail
50.Vol.41on Jun 25, 2006 - 住みやすいのはドッチ?日本vsカナダ
51.Vol.42 「崖の薔薇」と町名変更訴訟雑感
52.Vol.43  クリスマスって何の日?
53.Vol.44  Cosmopolitan  コスモポリタン
54.Vol.45 遅い夏の訪れ
55.Vol.46 バンクーバー外食事情
56.Vol.47大根おろしと「ちりとてちん」
57.Vol.48 あけましておめでとうございます
58.Vol.49カナダ人の日本語理解度
59.Cliffrose Letter Vol.48 あけましておめでとうございます
60.Cliffrose Letter Vol.50 2008.Apr. 世代交代のとき?
61.CliffroseLetter Vol.52 29.Aug.:2008 一粒のトマトの種もし死なずば・・
62.CliffroseLetter Vol.53 29.Aug.:2008 匂いの野菜
63.CliffroseLetter Vol.54 5.Oct.2008 フランス生まれのトマトその後
64.CliffroseLetterVol.55 ナイアガラとアメリカ
65.CliffroseLetterVol.56 リサイクルin Canada
66.CliffroseLetterVol.57 新年のご挨拶
67.CliffroseLetterVol.58 往く年来る年
68.Cliffrose Letter Vol.60 柚子の栽培とおからの話
69.Cliffrose Letter Vol.61 チビた鉛筆と蕗の薹 
70.Cliffrose Letter Vol.62カナダ産の新生姜 
71.CliffroseLetter.Vol.63 夫のいます山・Mt.Baker
72.CliffroseLetter.Vol.64 秋から冬へのカナダの風物詩
73. Cliffrose Letter vol. 65 年末のご挨拶 デフレ雑感
 74.CliffroseLetter Vol 66. 今年得たもの無くしたもの  
75CliffroseLetter Vol 67 日加サービス比較
76.Cliffrose Letter Vol .68  Cliffroseはひきこもり
77 Cliffrose Letter Vol .69 今年の収穫と帰化植物
78.Cliffrose Letter Vol .70 Oct.27.2010 サーモンの遡上
79.Cliffrose Letter vol. 71 ーこんなに明るくて大丈夫? 10.12
80. CliffroseLetter Vol.72 2010.12.31 思い出とへぼ将棋
81. Cliffrose Letter Vol.73 年末年始のご挨拶
82.CliffroseLetterVol.73 2011.6.30 コクリコとE-Mailアドレスの変更
83.CliffroseLetterVol.74 2011.12.31 未曾有の被害
84.CliffroseLetterVol.75 平凡な明日のために。 2011.12.31 
85.Cliffrose letter vol.76 お寿司と国際化12
86.cliffroseLettervol.77 来る年のために、楽しい話を。12
87. CliffroseLetter vol 78 「ビフォーアフター」 考
88.Cliffrose Letter Vol. 79  普通の日本人のお正月の過ごし方とは?
89 Cliffrose Letter vol. 80  「ありがとう」を言わない日本人?
90.Cliffrose Letter 81 2014 Dec.30  山頭火の自由律にたくして
91.Cliffrose Letter vol. 82 日加宅配便事情
92CliffroseLettervol84 Cliffrose Letter vol. 84 ミレニアル世代の今年の抱負とは
93.CliffroseLetter VOL85 車の話 2017.
94.Cliffrose Letter vol. 86   便利さの再考
95CliffroseLettervol.87DisableParkingParmitNumber(障碍者用の駐車証のはなし。
 2005年5月9日
「ポン酢の作り方教えて」
 
 ほんの数週間前だった。日本にいるときは則子さんから
 
彼女手作りのポン酢を何度ももらった。「太田ポン酢」 私の仲間
 
たちはそう呼んだ。彼女独特のうんちくのこもった旨味に、それは
 
満たされて、すっぱく辛く切れの良い味だった。
 
「胡麻豆腐は少し牛乳を入れるとおいしいのよ」
 
 これも彼女から教えてもらった取って置きの隠し味である。
 
 則子さんとはただの友達とはいえない。友達なんかではなく、同志だった
 
と思っている。

 
 七年半前、私が夫に急逝された前後、さまざまな形で、彼女のお世話に
 
なった。私の夫の死を、高齢のため知らされていなかった母の前で、
 
借金をチャラにするため大芝居を打つ手伝いまでしてもらったこともある。
 
それはまるでシーリアスながら、笑い話であった。彼女は私の生きるための
 
同志でもあったのだった。

 
 その後、夫の死をまっすぐに受け止められず、カナダに逃亡した私を、陰に
 
陽にどれだけ助けてくれたことか・・・・。葛粉を買って、赤紫蘇、梅酢、
 
しょうがの塩漬け、梅干、お茶、山椒、コーヒーシュガー、毛布、スリッパ
 
まで、私はどれだけ彼女にお願いしたか。則子さんは嫌がらず二つ
 
返事で買い物をしてくれていた。

 
 カナダでの生活のためにやむなく自宅で開催した二度の個展でも
 
多くの友人の手を煩わせたけれど、とりわけ彼女の適切な助言と
 
積極的な手助けには、どれだけ感謝したか知れない。

 
 去年の個展の打ち上げのとき、彼女の美しいアリアを聴いた。それは
 
美しくつややかなソプラノと巻き舌で皆を驚かせた。あの時、彼女はバレーも
 
習っていてとても健康にいいのだと話していたのだった。

 
 信じられない、信じられない悪夢を見ているような気持ちである。病気の
 
話を由美ちゃんからメールで知ったときも、冗談だと思った。
 
 ポン酢の配合を聞いたのは、わずか数週間前のことに過ぎない。彼女の
 
声は元気で、何事も無い風だった。いつものように何もない退屈な桃山台の
 
穏やかな空気を感じただけだった。

 
 これは嘘だと、誰か言ってください。これは悪い冗談だと、どなたか言っ
 
てください。彼女の病を得た姿を見ていない私は、この現実を信じられ
 
ないし、信じたくないのです。

 
 おばあちゃん、祥隆さん、子供たち、彼女の助けを必要としている
 
私を含めた多くの友人たち、私たちはまだまだあなたが必要だった。

 
どうして、こんなに急に、こんなに早く幕を引いてしてしまうのですか。
 
 「あんたの声を聞いてから入院しようと思って」と電話を貰ったとき、
 
「こんな病気ぐらいでくたばったらあかんで。あんたはそんな弱い女や
 
ない」と言い合ったのは、まだ三週間にもならない。

 
 何かと不条理な世の中で、死だけは誰にも平等にやってくる。死
 
なない人間などいないのである。だから、則子さん、あなたは少し
 
先に行くだけ。いずれ私たちもさして遠くない未来に、あなたに会
 
えるに違いない。そのときまた、いままでのようにお料理の話を
 
いっぱいしよう。少し先に行って、私たちの来るのを待っていてね。
 
ご馳走作って。

 
 則子さん、あなたは良くがんばりました。

よく人生の主役を演じきりました。見事でした。今、私は あなたの旅立ちの日を、

あなたの人生のフィナーレを、はるかカナダから拍手でお送りさせていただきます。


 
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残されたご家族と彼女の多くの友人たちに次の言葉を送ります。


 
 Happy memories never wear out...Relive them as often as you want.

  楽しかった思い出は減る事はありません、何度でもおもいだしなさい。
 
 You can’t change the past, but you can ruin the present by worrying
 about the future.

  過ぎし日をかえることはできません、でも未来をおそれることで

  現在をだめにすることはできます。



 
 前向きだった則子さんのように、私たちも未来に向かって
 
 Enjoy life!

 
 柳谷 千恵子 拝

 
 則子さんのたくさんの写真が私のホームページ上で、今も
 
生き生きとあります。則子さんは永遠です。